猫髭は民泊ブーム

朝晩が、だいぶ涼しくなり、
一気に秋の気配です。


新しい週が始まる明日から、
猫髭うたたね舎は、来客が続きます。

一泊から五泊まで、
それぞれ宿泊数は異なりますが、
週替りで毎週、誰かがやってくるのです。

母、
姪、
ギタリスト、
ピアニスト
デュオユニット、
シンガーソングライター。

放置プレイも多発しますが、
多種多様の刺激が、とっても楽しみ。
そこから、またいろいろなものが
うまれるに違いないんだもの。

もちろん、訪れる皆々様には、
山口の良さを満喫して頂きたい。

そして、猫髭うたたね舎の
「新幹線に乗ってくる」と表現される
トイレも、満喫して頂きたい。

なになに?
意味がわからない?
猫髭うたたね舎にお越しの際には、
お話をしてさしあげましょう。


民泊ブームが一段落したら
11月は、関西へ
12月は、関東へ
歌いに行くつもりです。

お盆の前の、お見送り。

いつものように車で出かけたわけですが、
滅多にしまらない山口線の踏切で、ひっかかってしまいました。

どうせ乗客は数人だろうと思っていたら、
二両のディーゼル列車は、ほぼ満席。
ボックス席のお客さんは、缶ジュースを窓際に置いて旅気分。
そうでした、世間は、まだまだお盆休みでした。

お盆がやってくる、少し前のこと。

家族のように親しくしていた、とあるお爺ちゃんが
お空の向こうに旅立ち、最後のお見送りをしました。

亡くなってから、その日を迎えるまでのすべてが、
他では、体験したことも聞いたこともない、
形式や儀式や一般常識に一切こだわらないものでした。

それは、喪主である長男さんの考えがあってのこと。
大切はのは「想い」。

そう書くと、なんだか、わざとらしい感じがしますが、
華美ではなく、葬式仏教とは無縁の、
シンプルな、でも、大事なところはきちんと押さえた
素晴らしいお見送りでした。

お爺ちゃんの顔は、他では見たこともないような「寝顔」でした。
よく「眠っているような顔だった」ということを言いますが、
レベルが全く違うのです。
おだやかすぎて、涙の出る幕がありませんでした。
それも、喪主が葬儀屋さんに機転をきかせたお願いをしたからこそ。

他、あまり詳しくはここでは触れませんが、
私も、集まった人たちも、詳しい話を聞いた人たちも、
「自分の最期も、こうゆう風にして欲しい!」
みんな、そう思うのでした。


お爺ちゃんが、私に度々言ってたコトバ。
「一緒のお墓に入ろうや」

この口説き文句に「考えとくわぁ」と私。
どっちにしても、私は当分こちらにいるので、
返事はまだまだ保留でね。

でも、おもろかったお爺ちゃんのことを、
度々思い出しては、笑っているからね。

三桁の世界

偉大なるソングライター、コールポーターの半生を描いた映画を見ました。
ようやく仕事が軌道に乗り出し、贅沢三昧な生活に突入してゆくわけですが
「一生懸命、歌を書いていた昔よりも、
 適当に歌を書いている今の方が、何十倍もお金が入る」
そんなようなことを、本人がポロっと口にします。
嫌味の成分がどの程度だったかはさておき、それが真実だったのでしょう。



私は、歌や声にまつわる、いろいろな仕事、いろいろなライブをやっています。
基本的に好きなことだし、自分を活かせることなので、
喜んで取り組んでいます。

同時に、私の中心にあるのは、
自分の歌を書き、自分で歌う、シンガーソングライター。
迷うことは全くありません。
その活動が一見、活発ではない時でも、
いつもいつも、自分にとっての良い歌を書きたいと思っています。
(それがビジネスに繋がりにくいことももわかっています)

他の音楽の仕事やライブが増えると、本来の想いも同じ比率で増えてゆく…
今も、まさにそんな状況。

自分の歌を書きたい、それらをたくさん歌うライブがしたい。
お客さんが、残念ながら、一桁だったとしてもいい。
真剣に聞いてくれるのなら、それでいい。
いろいろな土地で歌いたい。
歌いたい、歌いたい、歌いたい。あぁ〜歌いたい。


と、一人でうなっているところに、姉から届いた画像付きメール。
姪っ子が小学校2年生の時に自ら作った、算数の問題の写真です。
「さとこさんのコンサートに、ぜんはんは320人いました。
 こうはんは130人きました。今の人数は?」
7歳で既に私のライブによく来ていた、彼女らしい出題。
それにしても、お客さんの数が三桁って、スゴイ。

もし三桁が現実になっても、一切妥協せす、
自分が心から納得できる歌が創れて歌えていたら、もっとスゴイ。
これぞ、理想の世界。
 ←「式」が左右逆転してて、これまたスゴイ。

不揃いな胡瓜

5月末、7ヵ月ぶりに首都圏で歌ってきました。

横浜出身。山口に移り住んで9年目。
お陰さまで、都会への憧れはなく、
逆に、地方の「お金でははかれない豊かさ」に
魅力を感じている

…のですが、今回、
ライブでもご一緒したマルカートさんとの語らいで、
お互いに、しみじみと思ったことがありました。

彼女(マルカートさん)も、シンガーソングライター。
札幌出身で、彼女が東京で長いこと暮らしていた時に、
一緒にユニットを組んでいたこともあります。
今は、ふるさとを拠点に活動中。

都会と、そこから遠く離れた場所、
両方での生活年数がそこそこある者同士、
また、同じ、音楽に携わるもの同士、
今だからこそ、わかることがあります。

それぞれの土地の違い、良し悪し。
首都圏のきらびやかさはどうも……
などと思いつつも、
やはりそこにしかない、魅力もあること。

あの日の会話を反芻しての、彼女へのメール。
「都会は『洗練』。そして『熟成』って語ったねぇ〜」
すると、彼女から返信が。
「あはは〜。ワインとかチーズみたいだね〜。」

………間違えた、会話に出たのは『成熟』でした。
だみだこりゃ。



さて、今朝、おとなりのおばあちゃんが、
回覧板と一緒に、
畑でとれた、不揃いな胡瓜クンをくれました。
豊かな1日のはじまりです。

耳かきボイス

ゴールデンウィークだったのに
その最中、通常通りボーカルレッスンを行ったという、
なんとまぁ、非常識な落合センセ。
なのに、ちゃんと来てくれた生徒さん、エライ!
その生徒さんは、最近になって
「シンガーソングライター 落合さとこ」を知ったわけですが、
なかなか面白い感想を述べてくれるのです。



「センセの歌は、なんか、こう、耳の中を、
 こちょこちょこちょこちょ〜って、されてる感じなんですよ。
 ほら、耳かきって、すごく気持ちがいいじゃないですか。
 あんな感覚。
 時々、他の人の歌でも、こちょこちょされる感じはあるんですけど
 センセの歌は、こちょこちょの回数が、とんでもなく多いんですよ。
 あ、またきた、あ、ここも、ここも!って。
 それで、もっとこちょこちょされたくなって、また聞いちゃう。
 センセのライブに、ボクのようなおっさんがたくさんいましたけど、
 みーんな、最後、子供みたいな顔になっているんですよねぇ。
 それって、やっぱりみんなも、こちょこちょされて
 気持ちええんだと思います。」



な〜る〜ほ〜ど〜。
私の声は、耳かきボイスだったんだな。
そして、確かにサトコちゃんの耳かきを持っているぞ。
(※サトコちゃん=サトーのサトちゃんの妹)
おっしゃ。
今月後半は、首都圏のみんなのお耳を
こちょこちょしに行くわよ〜♪
耳の穴をかっぽじって、待っててくださいネ。

5ヶ月目の発見

すっかり春の陽気です。
小さな山々、そして、森と田んぼに囲まれた、今の猫髭うたたね舎では、
一日中、鳥の歌声が楽しめます。
うぐいすの、楽しそうなことと言ったらありません。
キジも、ギーギーと、朝から目覚まし代わりに歌ってくれます。
正体不明の、小さな生き物らしき声も時々、響きますが、
それもそれで良し。
窓をあけて外の風を楽しんだり、家のまわりを散歩したり。

あぁ気持ちいいなぁ〜と、屋根越しに空を見上げ……
ああぁっ!
屋根の瓦に、ひ、ひ、ひとの顔が!!!

おちついて、よ〜く見ると………
こわいくらいにほがらかに笑っています。
その奥の瓦にも、やっぱり、笑顔が張り付いてる。。

+++
調べてみると、鬼瓦には、魔除けの為の鬼の形相、だけではなく、
縁起が良いように、七福神をあしらったものもあるのですね。
我が家の屋根にくっついていた笑顔は、
島根の石州瓦を使ったものと思われる鬼瓦で、
大黒様と恵比寿様のようです。
全身ではなく顔だけ、しかも色が違って、
瓦にひっついているような、この美的センス、
遊び心があるというか、なんというか…
私の心を、すっかり鷲掴みにしたのです。
引越して5ヶ月。
ますます、ここが好きになりました。
懐かしの日本の風景、生活、不思議、バンザイ!

卒業シーズン

卒業シーズン到来です。
本日、姪っ子1号もめでたく高校を卒業。
卒業式の様子を収めた写真が、
パソコンに次々と届きました。
高校時代。
この頃の時間って、
いろいろなことが、凝縮しているのですよね。
入学するにあたり受験があって、
在学中も沢山のことがあって、
次の進路も友達と枝分かれして。
自分が関わる社会が、どんどん変わってゆく。
私の、ここ3年間を振り返ってみる。
それなりに変化もあるし、
成長している(と思う)けれども、
10代の頃とは、スピードも質感も違う。
きっと、それぞれ世代ごとに
「生きるテーマ」があるのでしょう。
何はともあれ「卒業」するみなさん、
おめでとう!
落合さとこ×笹子重治 duo「卒業」