一番の強さ

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名ギタリスト・笹子重治さんとの首都圏3DAYSが無事に終了。山口宇部空港に到着後、長年愛用したキャリーケースがとうとう………壊れました。ツアー中、なんとか頑張ってくれてありがとう。

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今回は、ライブの日も、ライブでない日も、沢山の、懐かしい友人知人に逢い、こどもの頃や、若い時を振りかえるきっかけになりました。

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さっちゃんは、実はあんまり笑わないこどもでした。決して不満なわけじゃなく、単に優等生でいたかったんですね。そのことを、今は、アホだなぁ~~ハハハ~と、笑えます。ありのままの自分でいれば、失うものもないし、気持ちがいい。アホはアホでいいんです。ハハハハ~。

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ライブ最終日。初めて私の歌を聞いた女性のお客様が話しかけてくれました。

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「さとこさん、こんなに明るい感じなのに、それとは裏腹に、

 なんで、こんなに胸が苦しくなるんだろう。

 なんで、こんなに涙が出そうになるんだろう。

 なんで、こんなに伝わってくるんだろう。

 ……どんなコンセプトで活動してるんですか?」

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音楽ではないけれども、同じく人前に立つことがあるとのこと。私の自己表現に、とても興味を持ってくれたようです。

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「コンセプト………考えたこと無いけど、気をつけてるのは、

 嘘がないようにってことでしょうかぁ。」

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彼女に言いながら、改めて思いました。ひと、それぞれの、本音が、一番、強いし、伝わると思うのです。

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おっしゃ~~。というわけで、これからも猫人間でいくぞ~~。にゃーーーー!

 

 

 

カミングアウト

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知り合って2年。同世代である、そのヒトの、生い立ちや現在の生活など、約40年の歴史を、本人の口から聞くことになった。もうこれ以上、黙っていられない、と思ったようだ。

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愛情のない悲しい出来事が次々と起こり、人を信用することができなくなっていた人生。周りのコミュニティは決して良くはなく、音楽や芸術とはほど遠い。

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そんな中、ひょんなきっかけで私とつながり、今や、熱心に歌について学んだり、ライブを聞きに来る。私のそのヒトに対する印象はもともと「真面目で純粋」だったので、そのヒトの歴史を知った時、本当に驚いた。そこまで辛い人生を過ごしながら、ここまでピュアな部分を汚さず持っていられるなんて!

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本当に思う。学歴とか、職業とか、肩書とか、そんなのはどうでもいい。大事なのは、そのヒト、そのもの。そのヒトの、心、の、ありよう。それだけだ。

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私は、恵まれた家庭に育ったし、こうして、好きなことを生業にしている。辛いことは、少ない方だと思う。間違っても、おごらず、たかぶらず、心、の、ありよう、それを大事にして、人生後半戦を、引き続きやってゆきたい。やってゆかなくちゃ。

順位交代


2019年も、もう三日目ですね。
今日は、箱根駅伝をパソコンのライブ中継で満喫しました。
姪っ子が東海大学体育学部に行っているので、東海大学を応援。
そしたらなんと初優勝!かつ大会新記録ではないですか!
若者たちの頑張りに、目頭が熱くなりました。
はてさて、そんな立派なオバチャン世代、真っ只中なせいでしょうか、
1日の集中力や作業量が、少しずつ減ってきました。
今までのやり方では、そうそう前には進みません。
そこで、やりたいこと、やるべきことの
優先順位や、時間のかけかたを見直してみました。
何が本当は大事なのか。
後回しして、おろそかになっていることはないか。
よくよく自分に問いかけてみると、
案外大事なところでの順位交代がありました。
そして、新たに出た順位のもと、
順位の高いものは、じっくりと納得のいくまでやり、
順位の低いものは、前向きに手を抜くことにしました。
もともと、完璧主義とは逆な性格。
やる時はやる、やらない時はやらない、ということで、
メリハリをもって、過ごしてみようと思います。
よし、私も今年は初優勝を狙うわよ〜!
(何に対してだ!?)

「湯・湯・猫」

「センセのおうち、戸建で寒いでしょう?」と
歌の生徒さんが、小さい湯たんぽをくれました。
通気性抜群、築45年の我が家は、確かに寒く、
エコな湯たんぽ生活にありがたく突入。

そんなことをSNSに投稿したら、
漢字では「湯湯婆」と書くのだと友人が教えてくれたのですが、
気になって、名前の由来を調べてみました。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが……
中国では唐の時代に「湯婆」(tangpo)として存在していたそうです。
そして「婆」は、おばあちゃんじゃなくて、「妻」のことだそうで、
「妻の代わりに抱いて暖をとること」を意味しているそうなのです。

んまぁ!ということは、
もともとは、妻を抱いて、暖をとっていたわけですね!
人肌って、あったかいですものね〜。
なんだか、その由来を知っただけでも、
うふふふふ〜っ、と、十分あったか〜い気持ちになりました。

ちなみに日本では「湯婆」のままでは意味が通じないために
「湯」が付け加えられて、現在の「湯湯婆」になったとか。

頂いた湯湯婆は、ぬいぐるみのような猫の専用カバーがついていて
本物を抱きしめているようなぬくぬく感がたまりません。
仕事部屋の膝の上や、布団の中や……最近はいつも一緒。
このコを漢字で書くなら、まさに「湯湯猫」。
読めないけど!

最大公約数


のうみその具合が、
とっちらかっていた一ヶ月前と、だいぶ違う。
随分とスッキリしている。

大阪、兵庫、愛知、京都、広島……
いろいろな土地で歌ったり
いろいろな人と出会ったり
いろいろな人にお世話になったりして。
山口に戻ってからも、いろいろと思うことがあったりして。

体裁だけ整っているような、
見た目がステキなものには興味がなくて、
例え、ずっこけでうすっぺらな生き様でも、
嘘がない自分らしい表現をしたい。
改めてそう思ったし、
自分らしいやりかたみたいなものが見えてきた。

と、同時に、共感性についても考える。
もっとお客さんを増やしたいのなら、多くの共感を得る必要がある。
センスの最大公約数をとるような、そんな方法が適しているのだと思う。

あれ? そもそも、私、最大公約数の表現、のぞんでないじゃん。
だから、そっか、うふふふふ。
お客さまが、どばっと増えるわけないじゃん。
とっくにわかってることなんだけれども、なぜか強く実感した、昨夜。
「結果として」共感してくれる人が増えるのが、一番ありがたい。
うん、それが一番ありがたい。

    1. +

楽曲依頼などは、自己表現とは違うので、
きちんとニーズにあわせて創作致します。
ご安心くださいネ。

音楽の星


お江戸から、歌唱のお仕事を頂きました。
歌以外のすべての音、つまり、カラオケは
別の音楽家の方がアレンジをしてくださっていて
私は、猫髭うたたね舎で、歌だけを録音するのです。
昨日、その音楽家さんのお名前をお聞きする機会があり、
驚きました。
そのかたと私は、音楽の恩師が同じ、
言うなれば、門下生同士だったのです。

さっちゃん3歳。いやいやながらピアノを習い始め、
小学生の頃、姉がやっていた電子オルガンの方が楽しそうだから、
と、気まぐれにそちらに転向し、
大好きな松本零士作品の、ヤマト、999、1000年女王などを
耳コピして演奏することに没頭し、
そうかと思えば、中学生時代は、テレビドラマの影響で
「高校生になったらバンドを組んで女性ドラマーになる」と言い出し、
ドラムを習いだす始末。
ピアノ、電子オルガン(ヤマハでいうところエレクトーン)、ドラム、
すべて、恩師のご自宅に通って教えて頂いたのですが、
気まぐれにあれこれと熱中する私をとがめもせず、
とにかく自由にやらせてくれたのです。
恩師の広い心と柔軟な対応があってこその、今の私、なのです。

今回の音楽家さんとは、
恩師と関わっていた年代が違うため、今まで面識はなかったのですが、
私は一方的に、つながりを知っていたので、
この嬉しいご縁のことを、ご挨拶のメールにも添えました。
そして、しばしの間、恩師の思い出ばなしに花が咲きました。

恩師は14年前に、お空にのぼって音楽の星になりました。
私は、あの時、感謝の気持ちを一言も伝えていなかったことを
激しく後悔しました。
そこから「ありがとう」という歌がうまれました。

あぁ、そうか、ちょうどお盆だものね。
後藤先生、ご自分が話題に出て喜んでいるかしら。
あちらでも、音楽と一緒に過ごしているかしら。
私達 門下生は、こちらで音楽と一緒に元気にしていますヨ。
今夜はお星は見えるかな。

ローカル万歳


猫髭うたたね舎のまわりの田んぼに、
水が入った途端、
カエル合唱団の団員が急増。
夜間練習にも余念がありません。
これはなかなかな音量だぞ。不眠症になっては大変だ。

と思っていたところに、玄関あけたらお客様。
「ゴメンダケロ」とでも言いたそうな、
そのポーズ、そのまなざし。

実はここの団員達、私が夜に歌の練習をしていると、
調子をあわせて一緒に歌い出したり、
聞き入ったりもしている様子。
まぁ、ここは仲良くいきましょうね。


ミュージックマガジン6月号に
新譜「猫の真珠」が掲載されたのですが、
その記事の結びが、山口県に移住した私について、

「こうして、地に足のついたアーティストが
 ローカル発でもっと増えて欲しいなと思う」。

ありがとうございます。
そして、私も同感!

(あえて「ローカル発」というつもりもないけど)
すべてにおいて、
東京発が、えらいわけではありませんし、
ローカルにもいいモノはあるのです。

作り手側も受け手側も、思い込みをとっぱらって
その目で、耳で、心で、確かめて欲しいと思うのです。