歌と私

4月に入ると、猫髭うたたね舍はいつもの静けさを取り戻しました。3/11以降、自分の身辺に具体的な被害があったわけではないのですが、普段、自分のことしか考えない私ですら、子供達の将来を、憂う様になりました。そのせいか、音楽に向かい合う気持ちが起こらない日が続きました。
少し前までとても大事にしていた歌、「さっちゃん」や「ニュータウン桜通り」などを、歌う気分になれなかったのです。何かがズレて、胸につかえて、どうしようもなく気持ち悪い。
その頃、ちまたでは、頑張ろうソングや普遍的な歌が増殖し始めていましたが、全部が全部そうではないにせよ、それらの歌からほんのり漂う生臭さに妙に神経質になってしまい、うまく思いを重ねることができませんでした。
悶々と時間が過ぎ、しばらくじっとしていましたが、蓄積していたものが溢れたのでしょうか、ある日突然目が覚めました。今まで通り、今感じる素直な気持ちを歌にすればいい。当たり前のことなのですが、ようやくそこに戻ったのでした。
そして、現在、新曲「おとなのせんたく」を創作中です。まだ未完成な部分もあるので、日々、形を変えていますが、この歌と向かい合うことによって、ここ2ヶ月のもやもや感が整理されつつあります。
ところで、最近「山口でうまれた歌」関連の動きのみになっているように思われがちですが、実は着々とニューアルバムの制作準備に、とりかかっているのです。「ゼリーの心臓」と「ランプと靴下」の2枚から、いかなる飛躍ができるのか?それが私の最大の課題です。今回のポイントは、無駄な力をぬくこと。そして何より、素直に、正直に、ありのままの「落合さとこ」を、原点に戻って表現できるようにと、考えています。
みなさま、どうぞご期待下さいませ。