創作のヒント

私の姪っ子の絵が、美術展で学校の代表に選ばれたと、姉からうれしいメールが届きました。私には二人の姪っ子がいます。姪っ子第1号は運動部系。小学校の時はサッカー、中学では陸上部で、毎日走りまくっているとか。かたや姪っ子第2号は、文化部系で「末はAKB48かマーシュマロウか」と、自ら豪語しているくらいなので、話の主役はてっきり第2号かと思ったのですが、意外にも第1号の方だったのです。
なんとなく違和感を覚えながら読み進めていると、メールの最後に、選ばれた作品の画像が添付されていて、それを見てスコンと納得しました。タンポポを思わせる鮮やかな黄色い野花の絵、その両脇に言葉が添えられています。
「陸上部 走ることが なによりも好き」
ありのままの気持ちを、運動部的な一直線で力強く画用紙にぶつけたその作品は、技術を超越した、若さが躍動する魅力を携えていました。
そういえば、先日の「詩の朗読会」でも、中也の詩の朗読以上に、自分の思いを自分の言葉で綴り、朗読した小学生に心をうたれました。その子は、自分の間合いをとりながら、からだ全体で言葉を表現していたのです。決して器用ではないその仕草が、他の誰よりも純粋さを人に伝えていました。
大人になると、いろんなものが邪魔をします。そして必ず言い訳がまとわりつきます。そこに最も欠けているのは、純粋で正直な心。それらは、そのことだけで、大きなエネルギーをうみだします。
言うのは簡単ですが、これは実に難しいこと。子供に出来ることを、大人になってから取り戻すことに、もしかしたら創作のヒントが隠されているのかもしれません。
このあたりが、私における、最近のうた創りのテーマです。