声楽リサイタルと、ポーじいちゃん

昨日は親族が大集合した日でした。私達の家系の地元である群馬にて、長い間、ライフワークとして、声楽をこつこつ続けてきた、久代叔母ちゃんの初リサイタル。一族みんなが燃えないわけがありません。
印刷物一式と当日のカメラは、久代ちゃんの長女がつとめ、全体のとりまとめは長男、私は裏方について影アナなど。私の姉や姪っ子は受け付け。私の母(叔母の姉)は、着物をリメイクし、衣装全般を担当。他、書ききれないほどの、いろんな人の力が終結しての一日。
会場に行く前に、一人で、私の祖父であり、久代ちゃんの父である、94歳のポーじいちゃんのところに立ち寄りました。私「今日は、親族みんなで久代ちゃんを支えるからね!楽しみに来てよ〜!」ポ「家だってなんだって、土台がしっかりしてなきゃぁいけないからねぇ。じゃあ、しっかりした土台で支えてやってくれ〜な〜。その上で久代が歌うわけか〜。楽しみだ〜。知ってる歌は一緒に歌うからねぇ〜」。
会場には、なんと500人以上のお客様が来場。日本歌曲を次々と、気持ちよさそうに歌う久代ちゃん。語り歌曲「きつねがだまされた話」は、彼女が本来持っているコミカルな部分も出て、味のある仕上がりでした。お客様の拍手とともにアンコール。
「今日は、会場に私の父が来てくれています。その、父が作曲した「さくら貝」を歌います」
そう、この歌はむか〜しむかし、ポーじいちゃんが教員をしていた戦後間もない頃、子供たちが歌うにふさわしい歌がないことに嘆き、自分で童謡・唱歌を創った中の1曲なのです(その譜面集が数年前、掘り起こされ、親族用に私が歌い、CDに録音して復刻)。
地元であるこの場所で、たくさんの人が集まるこの場所で、親族が力を合わせたこの場所で、そしてポーじいちゃんがいるこの場所で、久代ちゃんが歌う「さくら貝」。会場は、なんともいえない暖かい雰囲気に包まれ、最後は、われんばかりの拍手。心が震えるような瞬間でした。
終演後は、久代ちゃんだけではなく、ポーじいちゃんの周りにも、親族や、当時の教え子や友人知人、はたまた知らない人まで、次々と握手、挨拶、ステキでした、の声。二人ともアイドルみたいでした。
「やるなんて、ひとことも聞いてなかったよ〜」と、何度も何度も嬉しそうに口にしていたポーじいちゃん。ポーじいちゃん、そうゆうのはね、最近は「サプライズ」って言うんだよ。私達にしかできない、最高のサプライズ、大成功の巻!