江草夫妻との夜

すこし昔に、一緒にユニットをやったり、私のライブでピアノを弾いてくれていた、ピアニスト・江草啓太さん。私は彼を「ケイタ氏」と呼んでいます。そのケイタ氏の奥様・ユウコさんは、奄美大島のシマ唄などを唄っています。そんな二人のお宅に遊びに行ってきました。
屋久島をはじめ、いろいろな土地の古謡探をしている二人。旅に行っても全然観光地に行かないそうで「ええと、この地域の唄を知っている人がいたら、教えてください」と、ついつい唄探しをしてしまうんだとか。らしくて、いいです。ずっと気になっていた、お二人名義のCD「まつばんだ」をゲット。
ケイタ氏が「昔、大変なことがあったよねぇ」と話し出した内容が、私も強烈に印象に残っていた出来事だったのですが、そもそも私が憶えていたのはワンシーンだけで、どうしてそうなったのかなど経緯までは、ここ数年ずっと謎だったのです。
ケイタ氏と私とトランペットの細川玄さんの3人、山の中、路線バスを降りて、雪道をお腹をすかせて、とぼとぼ歩いている。寒いよう、お腹すいたよう、凍死するよう。。。そんな記憶。
ケイタ氏の記憶によると、福島で3人での演奏の仕事を終えて、空き時間に、近くの遊園地に遊びに行こうと路線バスに乗り、現地に着いたものの、数日前から冬季休暇で休園。帰りのバスまで数時間もあり、寒さと空腹に耐えながら、徒歩で食事ができるところを探し、やっとみつけた温泉施設。でも食事はやっていなくて、頼み込んで御蕎麦を作ってもらい、無理やり数時間休憩するための部屋も借りた、、、、というもの。確かにそんな気がしてきた。うんうん、そうだった。
なんだか、あの頃も、いろいろと笑える話があったなぁとしみじみ。3人でのユニットのことも思い出したら、また、いろんな人に演奏してもらいたくもなってきました。ここ数年は、ずっと一人でピアノ弾き語りをやってきたものですから。ピアノを離れて、歌だけ歌うこともしたくなってきました。歌の内容も、オリジナルだけでなく、もっといろんな歌も歌ってみたい、と。
そんな気持ちにさせてくれた、この夜に感謝。お鍋でお腹は、ぽんぽんです。