「誰が儲けているのか?」

春に企画した秋田民謡がらみのコンサートで、お世話になった地域の方と、
ちょっとした「お疲れさま会」をしたいとずっと思っていました。
そんなような話をちょこちょこと先方にしつつも、時は流れてしまったのですが、
先日、改めて、お誘いの電話をしました。
すると、いきなり言われてしまったのです。
「もう、この前と同じように、協力はできません」。
多分、この夏の「せせらぎコンサート」のちらしを手にしたばかりで、
そのお願いで電話がかかってきたのだと思ったのでしょう。
「いえいえ、違うんです。秋田民謡のお疲れさま会のお誘いなんです。。。
 お忙しいとは伺っていますが、お時間、難しいですか…?」
「はい、忙しいので、無理です。」
そうですか、と、電話を切ったものの、
その、迷惑さが少し感じ取れた声に
残念な気持ちと淋しい気持ちとが、ごったがえしにわきあがってきました。
「自分でも何か役に立ちたい」と意欲に燃えて当初は参加して下さったのですが、
おそらく、期間中にその気持ちをへし折るようなことがあったのでしょう。
その背景が、とにかく残念でならないのです。
プロの音楽を聞いて、そこの地域の人が元気になってくれたら、それでいい
という気持ちで動いているわけですが、
「一体、誰が儲けているのか」
「チケットを売ったら、誰の得になるのか」
「なんで、わしらはタダで、動かないといかんのか」
ということを言う方が、まだまだいるようです。
私たちには、企業の投資があるわけはもなく、
チケット収入だけですべての経費をまかなわなければなりません。
演奏者の交通費も必要ですし、その方々には、
通常のギャランティーには、ほど遠い「気持ち」しか、お渡しすることができません。
音響機材や宣伝用の印刷代も必要。
そうして考えてもらったら、儲かるどころではないところに、
どうして気付いてくれないんだろう。
結局は、私たちの押し売りなんだろうか。
それとも、彼らが、自分の地域を本気で愛しはていないんだろうか。
 

写真は、先日、yab「どきどきマルシェ」のロケで、
田植え体験をさせてもらった時のもの(7/6放送予定)。
山口市嘉川の地域のみなさんが、自分たちのお酒を作ろう〜!、
ということで始まった田植えイベントに、
老若男女、沢山の方々が集まりました。
田植えの後には、ビーチフラッグを真似た「田植えフラッグ」?も行われ、
みんな泥んこで走る走る〜!
大人が本気なのが、何よりイイ!
最後には、お酒やお米やスイカがあたる、くじ引き大会。
素朴なイベントですが、炎天下の中の2時間、大変もりあがりました。
「楽しいことをみんなでわいわいやって、あとで酒を飲むのが好きなんよね〜。
 だから、お酒も自分たちで創っちゃう」。
楽しむ心があるからこそ、これだけ前向きなイベントになるのですよね。
「誰が儲けてるのか?」なんて、誰も考えいなさそう。
それとも、このイベントが「有料」になったり、プロの何かを呼んだら
「誰が儲けて…」という問題が浮上してくるのかしら。


何はともあれ、そこに現れる結果は、
良くも悪くも、その地域の人たちの正直な姿なのでしょう。