カセットテープ

今月中旬に出演するイベントの準備をしています。
会場内に出現した「森」の中で歌うという「森の音楽会」。
いつもの歌よりも、もっと、「森」に似合った歌がいいな。
そう思って、20年近く前にやっていたユニットのレパートリーを
久しぶりに弾き語りでやってみることにしました。
当時の歌を聞こうと思い、押し入れから引っ張り出したカセットテープ。
そう、当時は、コンサートの録音はカセットでした。
カセットは巻き戻っていなくて、途中のまま。
ラジカセにいれて再生ボタンを押すと、あの頃の歌声が。
青い!今も青いけど、もっと青い!
でも少しつややかな声でもあり、それが若さということなのですね。
お目当ての曲を探して、早送りのボタンをカチッ。
カラカラカラカラカラカラ…。
音をたててカセットが回ります。
このあたりかな?と思って、停止ボタンを押して、再生すると、
あれれ、まださっきの曲が終っていない。
まだまだ早送り。
カラカラカラカラ…。
あれ?ようやく次の曲。
ああ、こんな風に歌っていたんだなぁ。
ん?そういえば、私が聞きたかった歌はA面に入っているのかな。
取り出して裏返して、巻き戻したり早送りして、
違う歌もほくそえみながら、カラカラカラカラ…。
本題にたどりつくまで少し時間がかかりましたが、
カラカラカラカラ…という優しい音は、なんとも言えず心地よく、
再生ボタンを押した時の、むにゅっと時間が流れ出す、独特の感覚もたまらない。
あの時代の、あのコンサートの時間を、行ったり来たり…。
もどかしいけど愛おしい。
テープが、切れたり、こんがらがったりしないことを祈りながら、
今日も、カラカラ…むにゅっ、してしまいそうです。