消えたマイクスタンド

山口での仲良しさんの、一周忌・メモリアルイベントの日のこと。
私は弾き語りをすることになっていたので、
出発前に楽器や機材準備をしていました。
すると…………ない、ない、マイクスタンドがない。
エレピのまわりにも、隣の部屋にも、押し入れの中にも、ない。
どこかで見た気がするのに、みつからない。
あんな大きなもの、なくなるわけないのに………おかしいなぁ。
とりえあず、予備用のマイクスタンドを用意し
午後三時集合を目指し、出かけました。
会場である、故人のお姉さん宅に集まったのは、なんと30人。
私よりも遥かに上の世代の方達ばかりでしたが、
爆笑あり、しみじみ涙もあり、てづくりのご馳走あり、
モチロン、私の歌もあり…
こころも、おなかも、皆さん、みちみちて、
あっと言う間に、夜十時になっていました。
金銭や利害関係は抜きで、集まった皆さんそれぞれが、
できることを、心をこめて、丁寧に行う。
たったそれだけで、こんなにも幸せな気持ちになれる…。
……いい時間だったなぁ。
会の翌日、じみじみとふりかえりながら、
終わったばかりの洗濯物を、縁側へ。
濡れた靴下を干そうとした瞬間、
「あ〜〜〜〜〜〜!!!!」
つい、声がもれてしまったのです。
マイクスタンドは、
だいぶ前から、洗濯物干しと化していたのでした。
(※配信メール「これからの暦」のエッセイをそのまま掲載した為、
  このコンテンツ「つぶやき」の「みんなが、幸せ。」と
  内容が重複する箇所があります。
  ご了承下さい)