お盆・その壱

お盆休みの前後、湯田温泉では、毎日のように汽笛の音が聞こえます。
猫髭うたたね舎が制作している番組「山口でうまれた歌」にも、SL山口号が度々登場しますが、先日視聴者の方から、「ガタンゴトン」(7月放送された歌)の感想を頂きました。この歌には、SLだけでなく、キハ47という、風情あるディーゼル列車が登場します。
「夏休み、母の実家に向かうディーゼル列車を思い出しました。暑くて窓を全開にすると、大きなレールの継ぎ目から軽快で力強いガタゴトガタゴト。流れていく空・雲・山・畑・風・ガタゴト。駅には、到着する何十分も前から待ってくれていた祖父がいました。」
私にも、よく似た記憶があります。幼い頃、一人で降りた駅の改札口で、手を振って迎えてくれた人は、やはり祖父でした。
その溶けるような微笑みが、今も体に染み込んでいます。思えば、今までほんとに多くの肉親の愛情をもらって生きてきました。その無条件の愛が、ガタンゴトンのリズムのように、ずっと私の人生に響いています。ガタンゴトンは素敵なリズム、早すぎないのが、いいところです。そして、夢の中まで、刻まれるのです。