先月の山口でうまれた歌「月光」。この中に登場するおばあちゃんがいます。だるまや、といううどん屋さんの、看板おばあちゃん、御歳89歳。放送中にTVを見ることができなかったというので、だるまやさんに立ち寄ってノートパソコンで見てもらいました。
DVDが流れている間、おばあちゃんの後ろに立って、一緒にパソコン画面を眺めていたのですが、「歌詞の文字が小さくて見にくいかな」「おばあちゃんが登場するまで時間があるけど大丈夫かな」、、、いろんなことが頭をよぎりました。
そして、おばあちゃんの写真が流れ、歌が終わりると、おばあちゃん「……いい歌ですねぇ。歌詞がいいねぇ。泣けてきちゃった。」。チラリと顔を見るとメガネの奥に涙。手にはハンカチ。自分の写真のことなど忘れ、純粋に「歌」を聞いてくれていました。
おばあちゃん、昨日まで東京に行っていたとか。親族の結婚式があったので、しばらく東京に滞在して、妹さん達と沢山タクサンお喋りしてきたそうです。「もう、ああして、みんなに会えるのは最後かと思ってねぇ…」。そう言いながら、またハンカチで涙をそっと拭います。そんなこと言わないで、まだまだ長生きしてください。
二つの故郷を歌った「月光」が、おばあちゃんの心に、とびきり深く染みたようでした。そして、その事実は私の心にとびきり深く染みたのでした。