夏子の酒

ひょんなきっかけで、今さらながら「夏子の酒」を読んでいます。
昔、和久井映見さんが主役でテレビドラマをやっていた、お酒づくりの話しだったような…
という程度の前知識しかなかったのですが、実に興味深いお話です。
ページをめくる度に、ため息をつき、心がぐらっと揺れ、時にはうるっとしてしまう。
お酒づくりには欠かせない米づくり。
そこで語られる、農家、農業の現状、真実、本音、抱えている問題。
山口に拠点を移してから、農業や限界集落のことを少しはわかるようになりましたが、
私が目の当たりにしている現象が、このコミックにも数多く書かれています。
どこの地域も同じなんだ…と実感。
心ある農家さんのセリフ
「昔は、貧困との闘いだった。今は、贅沢の闘いだ」。
経済が発展すればするほど、物はどんどん大量生産になる。
大量生産する為に、何が行われてゆくのか、何が失われてゆくのか。
私たちが求めていた物は、一体、何だったのか。
それは音楽を始め、すべての世界にいえることだと思います。
経済が「悪」なのかどうか、私にはわかりません。
でも、私たちは、実態のない
「経済のオバケ」に振り回されているような気がしてならないのです。